日曜日, 10月 16, 2016

納棺までの話

母が9日の早朝に亡くなり、駆けつけた後、担当医がやってきて、
「何が原因なのかわからないので、死亡診断書には老衰と書いて良いでしょうか?」と言う。

老衰?

入院する二日前までシルバー人材センターでのお掃除の仕事をしていたと言う母。
このところリウマチっぽかったと言う母がめずらしく痛みを訴えたので、通院していた病院に行ってみたのが始まりだった。

入院するほどでもないがどうしますか?と最初は言われたらしいが、早くその痛みが治ればと軽い気持ちで姉が入院させたらしい。
しかし、その翌日の漢方薬の投与から容体が激変した。
体中に赤い発疹が出て、激痛が体中に走り、口の中の粘膜はただれ、口の中が血だらけになり、血が固まって口が開かないほどだったと言う。
舌の先が真っ白になり、何も口から受け付けられなくなり・・・。
3週間、何も食べられないまま、のたうちまわり、激痛のあまり叫びながら、死亡した。

我慢強い性格がたたって、看護師の扱いも悪く、医師の扱いも最悪だった。
最悪の看護師たち、最悪の医師たち、最悪の病院。
軽視され・・・、運が悪かった・・・。
でも、それで、人間って死んでしまうのだ。
私も少しの間だったが救急救命センターに勤めていたが、看護師や医師とは本当に恐ろしい職業だなと改めて思う。


霊安室に運ばれる前、私がたまたま持っていたファンデーションや口紅で死に化粧をして・・・。
そしてその後、病院の地下に常駐している葬儀屋と打ち合わせをする事に・・・。

その日は葬儀屋に言われるままに割安だと言う区の会場で、通夜と告別式をやる事に決めた。

お通夜までの間は通常、保存のために病院の地下にある霊安室から冷蔵庫の様な所に移されて保管されると言う。
私は保存状態の為にもかわいそうだけどそれで仕方がないと主張したのだけど、妹がどうしても住んでいた自宅マンションに連れ帰りたいと言う。

自宅に入る時は大丈夫だけれど、棺に入れて自宅を出る時に2メートルある棺がエレベーターに入らなければ、階段を使うしかないそうだけど・・・。
まだ、マンションが2階だから、葬儀屋の二人と誰かでおろす事は可能だと言われ・・・。

妹は末っ子で母とは一番仲が良かったし、入院中も毎日お見舞いに行っていたわけで、妹の言う通り、自宅に移す事に決めた。

その夜、姉が通夜は自宅でやりたいので、通夜だけキャンセルで、告別式はそのままで・・・とその葬儀屋の担当者に電話で伝えていたはずだったのだけど・・・。

翌日の11時に最終打ち合わせで、最終的な事を詰めようとしていた私達だったが・・・。

なんか、話がかみ合わない???

かみ合わないまま、話していると、
「えっ?両日ともキャンセルじゃなかったんですか?」と葬儀屋のまさかのお言葉。

「はっ?」びっくりして一瞬絶句する姉。
「昨日も申し上げた通り、通夜は自宅でやり、告別式は昨日の打ち合わせ通りでお願いしたいと言いましたよね。」
「要は、通夜の一日をキャンセルするだけで、告別式は予約したいと言う事で・・・。」

「え~っっっ?もうキャンセルしちゃったので・・・・。」と言いながら慌てふためく担当者・・・。

電話で確かめていたが、申し訳なさそうに、
「もう、他の予約が入っているので、無理です。通夜と告別式は通常二日セットなので、キャンセルと言う事はどちらもだと思いまして・・・。
そんな話、聞いてないし・・・、最初からセットだって言えよなー。

そんなこんなで、改めて式場を探してもらい、私の職場にも式場の変更を慌ててメールで伝えた。

母の死亡の当日と翌日まで霊安室に置いておき、その翌日午後に自宅マンションに運んだ。
到着後の翌日、葬儀屋がドライアイスを換えに来てくれて、その翌日に納棺師に綺麗にしてもらい納棺。

私は仕事で行かれなかったけれど、納棺の際、お気に入りの衣類や写真などを入れて納めたと妹からメールが入った。
私があげたラベンダーのアルパカのセーターも入れてもらった。

いろいろな事でずっと疎遠になっていた妹とのメールのやり取りが始まった・・・。





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