土曜日, 4月 25, 2009

谷村志穂さんの「スノーホワイト」

図書館に予約してあった谷村志穂さんの「スノーホワイト」。
数ヶ月かかってようやく借りる事ができた。

そもそも三茶のキャロットタワーの2FにあるTUTAYAで、何か面白そうな本はないかと物色していた時に見つけた本だ。

谷村志穂さんという作者の名前は何となく記憶があった。
たぶん雑誌か何かでその名前を見たことがあったのか、もしくはTVドラマの原作者として、その名を目にした事があったのかも。
表紙も綺麗だったし、少し読んでみて、何となく気に入った。
ただ、ハードカバーの書籍というのは私にとってはかなり高額。
思い切って購入したとしても小説は二度読みする事もないし、置いとくのも邪魔だし・・・。

十数年前、ディスプレイの専門書を執筆し出版した事があったが、出版したばかりだというのに、
「あのぅー、図書館で借りて見たんですが・・・。」などという問い合わせが何件もあり、
(新刊なのに、もう、図書館に置いてあるわけ?借りないで買ってよねー!!!)なんて驚いたりむかついたりした事があったなー。

きっとどの書籍の作者もそうなのに違いないけど、やっぱり値段が高いのは否めない。
今のご時世じゃ、余計にだよねー。

「スノーホワイト」を予約し手元に来るまでの間、図書館で谷村志穂さんの他の作品を何冊か借りて読んでみた。
その数冊すべてが短編小説だったのだけど、やや、男女の表現が生々しいところがあって、読むうちに不二家の生クリームたっぷりのケーキを食べ過ぎた時の胃の重みと同様の感じを受け、「スノーホワイト」にももしかしたらそんな気分を抱くかもしれないとちょっぴり恐れを抱いていた。

昨日、図書館から受けとり、帰宅後すぐに読みはじめ、ぶっ通しで今日も読みふけった。
どんどん引き込まれた。
そして、そんな恐れは吹き飛んだ。
バツ一の46歳の介護士の女性と二十一歳のコンビニでバイトしている大学生の純粋なラブストーリーだ。
たぶん、現実にはかなり厳しい設定かもしれないが、小説の中では、「あると思います!」って感じ。
読み終えて、もしドラマ化されるとしたら、俳優は誰が良いのだろうーとあれこれ考えた。。。

女性は46歳の設定。
目が大きく、すらりと背の高い、やせ型で上品な感じの、老人の介護をしたりボランティアで絵本の読み聞かせをしたり折り紙が得意の静かで透明感のある地味な感じの女性・・・。
年齢的にジャストなのは黒木瞳で、あとは・・・、少し年齢は若いけど、寺嶋しのぶなんてぴったりかも・・・。
46歳のコンビニの客と恋に落ちるちょっぴり正義感の強すぎる、結構モテ男大学生の役は・・・。
瑛太か小栗旬あたり・・・が良いかなー?

ドラマ化されないかなー?

こんなに年の離れた恋愛って、特に女性が25歳も年上ってのは、たぶん現実にはなかなかあり得ないし、あったとしても、たぶん最後はお決まりの悲恋なのかと最後の最後まで思っていたけど・・・。

でも・・・、そうじゃなかった。
一気に読み終えて、最後の最後の展開に何だかほっとしたのだった。
そして、おばさんにも夢を与えてくれた。
たぶんこの先長くはもたないだろうけど、まぁ、良いじゃん。その時はその時だ。もう少し良いんじゃない?って感じ。

思っていた以上に素敵な作品でした。