木曜日, 4月 13, 2006

今宵はちょっぴり昔読んだ小説の話

もともと、読むのが早くもないし理解力も今一だからか、頻繁に小説を読むなんて事があまりない私でもたまたま読んだ作品が自分にとって忘れられない一冊になる事がある。
それも長く生きてればいろいろあるにはあるんだけど・・・。

どのくらい前かしら?かなり前・・・。インスタントコーヒーの宣伝にある作家が出てて、確かこりあん先生と呼ばれてもてはやされてる小説家がいた頃。
私はたぶんその頃中学生前後だったのかなあ。そのある夏休みに「次の作品の中から好きな小説を選んで、その感想文を書きなさい。」なんていう宿題があって、何気なく遠藤周作の「沈黙」っていう作品を選んだのがその作家とその作品を知るきっかけとなったんだけど~。
それが「沈黙」っていう昔の長崎のキリシタンのお話。もう、読んでて泣けるの何の・・・。確か最後の方では嗚咽をあげて泣いた記憶がある。
その中に使われてる方言が私の出身地に近い場所だというのにほとんどわからなくて、訳されてるところを読みながらの読書ではあったけど、にも関わらず、涙があとからあとから・・・。
当時、こんな事がほんとにあったのかとか、こんなに純粋な人々がいたのかと思うと哀れで哀れで・・・。

その作品と巡り合った縁で遠藤周作と言う作家を認識する事になるのだけれど、その後何冊か読んだ中で強烈に覚えている作品がある。それほど有名な小説ではないのかもしれないけれど、今でもその題名も内容も生々しく蘇る。「わたしが・棄てた・女」って言う作品。
簡単に言うと、不細工な女性がある男性につくしつくして棄てられるって言うような内容なんだけど、その女性の純粋さ、けなげさがほんとに痛々しくて、悲しくて。見た目だけの美しさ、心の美しさって何なんだろうってすごく考えさせる作品なのでありました。

数十年前に読んだ小説、また読んでみようかな?