日曜日, 3月 28, 2010

くまちゃん


だいぶ前に図書館に予約していた小説が二冊、次々に借りられるとの連絡が届いた。
先ずは、「のぼうの城」が先週・・・。
去年、本屋で見かけて、是非読んでみたいと思っていた。
でも、何度読もうとしても一向に先に進まず、眠くなる。
なぜだろうと思うに、時代小説だからやたらと登場人物の名前が難しい漢字だったりして、その上その読み方もややこしかったりで、それでかなー?と思ってみたりもした。
確かにそれもあるけど、要はこの作家の文章が私にはとても退屈でつまらなく思ってしまった事によるのだとわかり、すぐに読むのをやめた。

そして、次に借りられる事となってた「くまちゃん」。
いつだったっけか?予約したのは確か去年の今頃だったような?とにかくだいぶ前。
去年、たまたま見ていた王様のブランチという番組で紹介されてた事と私の大好きな角田光代さんの作品だったので、とりあえず予約をしていたのだ。

その番組で恋愛小説だと聞いていたので、ほんわかな若い子たちの恋愛のお話なのかと思い、読み始めた。
最初はやはり・・・という感じだったのだけど、読んでいくうちにまたしても角田ワールドに誘い込まれ、一気に二日で読み上げた。
角田光代さんの小説の特徴でもある、短編で区切られているのだけど、バラバラのお話ではなく、主人公がどんどんバトンタッチするかのように変わっていき、つながっていく。
そして、最後にはしっかりとまとまって、何だかいつも読み終えてすっきりとする感じだ。

この「くまちゃん」は20代から30代の男女の恋愛に対するそれぞれの立場での気持ちのすれ違い、恋愛の難しさや奥深さがソフトにうまく描かれていて、思っていたよりずっと心に沁みる作品でありました。
恋愛かぁ・・・。
私からは恋愛なんてもうとうに終わってしまったものに思えるけど、この本を読んでいると、いろんなところで、おそらく多くの若者や若者でもなくても多くの独身者たちがさまざまな恋愛を織りなして、ふったふられたとか結婚するとかしないとかいろいろな展開をしているのだろうと思うと何だか微笑ましくもあり、大変だなーとも思えたりして・・・。

私の周りにもあんなに綺麗だったりかわいかったりするのになんでいまだに独身なんだろうと思う人もたくさんいて、縁がなかったのかなーとか、性格に問題あり?とかいろいろ思ったりする。

恋愛ってのは、心底両想いなのかどうかってのがなかなかわからないもので・・・。
言葉では好きだの何だのと言ってもその心の奥底は本人にしかわからないし、その本人ですらほんとに好きなのかどうかってのもわからなかったりして。

まだ、私が若い頃、親しい友人が年下の恋人にさんざん貢がされた上に裏切られふられたという話を聞き、その相手も知り合いだった事から、その彼を呼びつけて話を聞いた事がある。

友人の方としては、彼が自由が丘に住むのが夢だと聞けばわざわざ割高な家賃を払って自由が丘にアパートを借りたり、恋人のために望む事は何でもかなえてあげたらしいが、二股をかけられていた事がわかり・・・。
しかし、彼が言うには、そもそも自分は彼女の家に泊まったりはしていたけど、恋人としてつきあっているのでは無く、仕事上でのつきあいの延長で、その尊敬の念がこういう関係になっただけなのだとか何とか・・・。
「はぁ~っ?」と私は目が点になったのを今でも覚えている。
男女間の感覚の違い・・・、感情の行き違い・・・。

ほんと、恋愛って難しい。

恋愛に悩んでいる人は、「くまちゃん」を読んでみると良いかも・・・。
ちょっとはすっきりするんじゃないかなー?

0 件のコメント: